お元気でしたかとおしゃべりして、タイにある離島の話を聞いて 旅はいいね、カレー美味しいねともぐもぐうなずいて はなし足らずにNさんが気になる喫茶店があるというので 散歩をしながらそのお店へ向かった Nさんとわたしは「撮る人と撮られる人」として知り合った 「はじめまして」と言葉を交わしたのは、白壁のスタジオで 窓の外には木がたくさん茂り、青葉が春風に気持ちよくそよいでいた 今から5年くらい前のことだったと思う 「撮られる」ことが非日常すぎて、たち振る舞いもわからずに ぼんやり遠くの緑を眺めている間に、Nさんはシャッターを切っていて 緊張する隙があまりなかった 周りにいる人たちもリラックスしている 仕上がった写真を見た時のうれしさったらなかった 自分が知らなかった自分が、いい顔をして笑っていた Nさんには、まわりの人たちがいつもの自分で居られるような やわらかさがあるんだろうなと思う カレー→ショートケーキ&紅茶→街のスーパーで買い出しする (わたしに付き合っていただく)、というフルフルコースを満喫 笑 こどもを撮ることが好きで、友人のこどもの写真を 1日中撮り続けたこともあったよとNさんが教えてくれた 今は撮ったらすぐに確認できるし、パソコンを使って 思いのままに写真の色を整えられる時代だけれど、 フィルムが主流だった頃は、カメラとレンズ、現像所の現像液と プリントの紙質、この4つの合わせ技が大切だったと伺う 撮ってから写真になるまで、2週間は必要だった頃の写真は 幾人もの手を通して仕上がっていたことを忘れてはいけない気がした おしゃべりの中で 近々あの方とあの方を撮るよと伺ったその人たちは 大河ヒロイン級のうつくしい人で、きっと仕上がったその写真は Nさんのやわらかい空気の中で笑っているんだろうなと思った ケータイで写真が撮れてしまう今日この頃に Nさんがカレーを前にしてシャッターを切っていたのが フィルムのコンパクトカメラだった時のほっとした感たるや 笑 なつかしいな、この感じ わたしも欲しくなってしまった
by letter-from-youco
| 2017-12-10 16:35
| human
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